非常用発電機の負荷運転は6年に1回で良い?消防法の誤解と正しい考え方を解説
非常用発電機の点検について、
「負荷運転は6年に1回で良い」といった話を耳にすることがあります。
しかし、この認識は正確ではありません。
実際には、一定の条件を満たした場合に限り期間の延長が可能であり、
その間には予防的な保全策を講じることが前提となっています。
本記事では、よくある誤解と正しい考え方について、分かりやすく解説しています。
結論:6年に1回で、それ以外は「何もしなくて良い」わけではない
まず結論からお伝えすると、負荷運転が6年に1回で良いのは「条件付き」であり、その間に適切な点検・確認を行う必要があります。
潤滑油等の交換など運転性能の維持に係る『予防的な保全策』を適切に実施することではじめて成り立つ考え方です。
つまり、「あいだの5年間何もしなくて良い」という制度ではありません。

なぜ「6年に1回でOK」と誤解されているのか
この誤解が広がった背景には、いくつかの要因があります。
まず、平成30年6月の法改正(消防予第372号)により、一定条件下で負荷運転の周期を延長できるようになりました。
この「延長」という部分だけが切り取られて伝わっているケースが多く見られます。
また、「毎年やらなくて良い」という情報は、コスト削減の観点で広まりやすく、本来の趣旨とは異なる形で理解されてしまうことがあります。
そして、負荷運転の代替として求められる内容(内部観察・保全策)が、現場レベルで十分に理解されていないことも一因です。
制度の本質は、単純な簡略化ではありません。負荷運転の代替として、より適切な管理を行うことが求められています。
平成30年6月1日施行(消防予第372号)
- 〈負荷運転点検〉の代わりに〈内部観察点検〉を選択できるようになりました。
- 法改正前は1年に1度の〈負荷運転点検〉を行う必要がありましたが、潤滑油等の交換など運転性能の維持に係る『予防的な保全策』が講じられている場合は、負荷運転(or内部観察)周期を6年に1度に延長することができます。
👉ただし、以下の条件に該当する場合は『予防的な保全策』を選択することはできません。
- 前年度に負荷運転・内部観察、または予防的な保全策のいずれも行っていない場合。
- 過去5年以内に負荷運転または内部観察を行っていない場合。
- 最後に負荷運転または内部観察を行ったのが5年以内であっても、その間に1度でも予防的な保全策を行っていない年がある場合。
👉つまり、何もしなくて良い年はないということになります。
この誤解が生むリスク
「6年に1回で良い」という誤解は、現場において大きなリスクを生むことにもつながります。
万が一の有事の際に、「発電機が正常に作動するか」「作動はしたものの実際の負荷に耐えられるか」などの物理的なリスクに加え、点検内容や記録の不備により消防署の立入検査において指摘を受けることにもなりかねません。
非常用発電機はいうまでもなく人命にかかわる設備です。〈消防法第17条3の3〉により、他の消防設備とならび適切な点検、消防機関への報告が義務付けられている管理者にとって責任のある設備なのです。
現場ではどのように判断すべきか
重要なのは、建物(施設)ごとに最適な方法を選択することです。判断のポイントは、
- 建物の用途(病院・商業施設など)
- 停電操作の可否
- 入居者・利用者への影響
- 管理体制
これらを踏まえ、
- 負荷運転を実施すべきか
- 代替手段を採用するか
を検討する必要があります。

まとめ
「負荷運転は6年に1回で良い」という考え方は、制度の一部だけを切り取ったものです。
本来は、適切な管理を前提とした運用の見直しであり、
〈内部観察〉や〈予防的な保全策〉などをを含めた総合的な管理が求められます。
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